2011/02/03

とりとめもない音楽ビジネスの話 #1

レーベルを立ち上げた時最初に考えた事は、当たり前のようなことなのだけれど、すごく良い物を作りたいということ。「良いものが売れない。」といった話を耳にする時、残念ながら「そんなに良いかね??」と思うことも多い。ヒットさせるための音楽が増え過ぎた結果、個人の趣味嗜好はさておき良いものとは言い難い音楽が増え過ぎてしまったように思う。「良いもの」が出来上がるにはそれなりの根拠があってしかるべきなのだけれど、それが見当たらないし、なんというか、そこそこだったりするものが多い。


「良い」とは何か。独自で良いとか、スタンダードで良いとか、技巧的で良いとか、新しくて良いとか色々あるし、勿論人それぞれ感じ方も違う。手法はどうあれ、要は表現として研ぎ澄まされているかどうかだと思う。若手ロックバンドによくこんな話をする。「大事なのは技術とか何だとかだけではなく、表現する人が、瞬間高まっている事だ。切り立った山の、前も後ろも不安定なピークに居る感じ。そのギリギリ感がロックだ! そこにオレはシビれるんだ!」と!!
はい。間違いありません。うざいです。


テクノロジーの進歩により誰でもカンタンにものが作れるようにはなったのだが、良いものを作るというのは別次元の話。瞬間のひらめきなのか、常日頃から磨かれた人間性なのか、卓越した技術なのか、何が作用するかはわからないしその時々で違うものだと思うけれど、極限まで追求されたような至高の表現に触れてこそ、こちらも感極まるというもの。


書くまでもないが、聴く事はもちろん、プレイすることも一部の人達の特別な権利ではない。職業に関係なく音楽を奏でるのはすごく楽しい事だし、いい大人になってから楽器を始めるのもオススメできる。ただ、プロフェッショナルの音楽を誰が何のために奏でているのかということは、音楽ビジネスを再考する上での重要なポイントだと思う。音楽業界再編の最中、今は色々な人達が様々な新しいビジネスアイデアを考えている時代で、自分としても企画立案は日常作業となっている。ただ、もっとも重要なのはアイデアやシステムより前に音楽そのものがすごく良くあるということだと痛感している。


更新を宣言した前回から9日。早くも挫折しそうになっていたのは言うまでもありません。二度目のイントロダクションのようになってしまった本当にとりとめもないこの話。どこに向かうのかはさっぱりわかりませんが、次回不定期更新にご期待下さい。

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